
PAST EXHIBITIONS

Copyright © Hideki Inaba, 2013
エスパス ルイ・ヴィトン東京は、第8回目となるエキシビションに国際的に活躍する日本人アーティスト、森万里子を迎えます。 『Infinite Renew (無限の再生)』と題した本展では、彼女自身がキュレーターとなり、新作7点(うち3点はエスパス ルイ・ヴィトン東京のサポートによる)を含む全8作品を当館の高い天井とガラス窓に囲まれたスペースに配置し、これまでの展示空間とは異なる趣の世界へと皆様を誘います。
天井に取り付けたビデオカメラで来場者の動きを感知し、色が変化するLEDリアルタイム・モニター内臓の高度なテクノロジーを駆使した螺旋型の彫刻三連作『Infinite Energy(無限のエネルギー)』に加え、自身の最新プロジェクトから3点の彫刻、『Renew I(再生 I)』、『Renew II(再生 II)』 、『Butterfly(蝶)』も展示されます。
立体シリーズ『Renew(再生)』は、メビウスの帯の形に従い、素粒子から多元宇宙まで、存在についての共通の確信、すなわち生と死の果てしない循環を反映しています。あらゆる存在は再生を果たし、そこには始まりも終わりもありません。地球上のあらゆる原子は宇宙で生み出され、私たちの肉体はそうした原子で構成されています。宇宙は生きとし生けるものの母です。宇宙の96%が見えないエネルギーで構成されていることを思えば、人間という存在もおそらくこの同じ見えないエネルギーでできているはずです。
立体作品『Birds II(鳥II)』と、ルイ・ヴィトン表参道ビル1階のLED画面で上映されるアニメーション作品『Ālaya(アーラヤ)』は、彼女自身の個人的体験に関連する一方、本展に出展されたほかの作品同様、目に見えないとされているものを視覚化しています。
本展『Infinite Renew』は実際には見えないエネルギーの果てしない再生を体験することを来場者に促すだけでなく、「私たちが共通して抱く、生のエネルギーの果てしない再生の確信」も再認識させてくれます。
エスパス ルイ・ヴィトン東京は、私たちの存在の真の意味の理解へと私たちを導きうる認識を共有してくれた森万里子氏、および同氏のニューヨークのスタジオ、ならびに本展の準備期間中、揺るぎないご支援をいただいたSCAI THE BATHHOUSE(東京)、ショーン・ケリー氏(ニューヨーク)およびギャラリー・フォルスブロム(Galerie Forsblom)(ヘルシンキ)に心より感謝いたします。

Photo: David Sims
森万里子
世界中の美術館や個人コレクターの注目を集め、その作品が収蔵・収集されるなど国際的に評価の高いアーティスト。2005年のヴェネツィア・ビエンナーレに出品したインタラクティブ・インスタレーション『WAVE UFO』で広く認められることとなった。この作品はグローニンガー美術館(オランダ)で開かれた個展『Oneness』でも展示され、その後アロス・オーフス美術館(デンマーク)、ピンチュックアートセンター(ウクライナ)、ブラジル銀行文化センター(ブラジルのブラジリア、リオデジャネイロ、サンパウロ )を巡回。この他にもロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(ロンドン)、ポンピドゥ・センター(パリ)、プラダ財団(ミラノ)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、シカゴ現代美術館(シカゴ)、サーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)、ロサンゼルス・カウンティ美術館(ロサンゼルス)など世界各地で、数々の巨大インスタレーションが展示された。森の作品はグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥ・センター(パリ)、プラダ財団、シカゴ現代美術館、エルサレムのイスラエル美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ピンチュックアートセンター、ニューヨーク近代美術館に収蔵され、1997年に開催された第47回ヴェネツィア・ビエンナーレでの栄えある優秀賞(Menzioni d’Onore)や、日本文化藝術財団から日本の現代芸術分野の有望なアーティストや研究者に贈られる第8回日本現代藝術奨励賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る。

Infinite Energy I, II, III, 2013
(無限のエネルギー)
ファイバーグラス、ミラー、LED、リアルタイム制御システム
1900mmØ x 7800mm
Work with the support of Espace Louis Vuitton Tokyo
©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat
地球上の重原子は宇宙で生み出され、私たちの肉体はその重原子で構成されています。宇宙は生きとし生けるものの母といえるでしょう。宇宙の96%が見えないエネルギーであるとすれば、私たちの存在も、この見えないエネルギーで構成されていると言えるのではないでしょうか。『Infinite Energy』を通して表現しているのは、時空の概念から解き放たれた生のエネルギーの流れです。それは転生する力となり、見えないエネルギーの終わることのない再生です。

Renew I, 2013
(再生)
ファイバーグラス
868mm x 1181mm x 1890mm
Courtesy of Galerie Forsblom, Helsinki;
Sean Kelly, New York;
SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat

Renew II, 2013
(再生)
ファイバーグラス
1195mm x 1935 x 567mm
Courtesy of Galerie Forsblom, Helsinki;
Sean Kelly, New York;
SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat
立体シリーズ『Renew』は、メビウスの帯を象っています。それは、素粒子から多次元宇宙まで、あらゆる存在についての共通の概念を映し出しています。サイクリック宇宙モデルとは、終わることのない生と死の循環です。あらゆる存在は、再生を繰り返します。そこには、始まりも終わりもありません。

Birds II, 2012
(鳥)
ルーサイト
460mm x 915mm x 340mm
Courtesy of Sean Kelly, New York;
SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat
鳥のつがい、ひとつがいの成就した魂
安らぎの歌、愛のたまもの

Butterfly 2013
(蝶)
ポリウレタン
1000mm x 633mm x 400mm
Courtesy of Sean Kelly, New York;
SCAI THE BATHHOUSE, Tokyo
©Louis Vuitton / Jérémie Souteyrat
メビウスの帯はライフサイクルを象徴しています。生と死は繰り返し、メビウスの帯の無限のループのように果てしなく続きます。
この立体作品は、ヴェネツィア・ビエンナーレの特別プロジェクトとしてフェニーチェ劇場で上演されたオペラ『蝶々夫人』の舞台装置の模型です。満たされない愛に絶望し、自害するという道を選んだマダム・バタフライ。しかし、この立体作品はその肉体的な終焉ではなく、再び生まれ来る魂の運命を暗示しているのです。
Music: Ken Ikeda





















































