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CURRENT EXHIBITION

DOUG AITKEN - NEW OCEAN: THAW

November 13, 2020 – February 7, 2021

ダグ・エイケン 《ice forms VII》2008年、(《New Ocean: thaw 》、2001年の制作用スチル)
© Doug Aitken.  Courtesy of the artist

このたびエスパス ルイ・ヴィトン東京は、アメリカ人アーティスト、ダグ・エイケンによる没入型インスタレーション《New Ocean: thaw》を紹介する展覧会を開催いたします。本展は、これまで未公開のフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品を東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウルのエスパス ルイ・ヴィトンで展示する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環であり、国際的なプロジェクトを通じて、より多くの人々に所蔵作品に触れる機会を提供することを目指しています。

ダグ・エイケンが初めに学んだのは雑誌のイラストレーションでした。1990年代中頃から取組みはじめた映像制作は、ポップアートのイメージから大きくインスピレーションを受けたものでした。エイケンの多くの短編映画やインスタレーションの中心を占める人物像は、流れの構成や、幅広い舞台装置の構成においてその機能を発揮します。風景はエイケンが好むもう1つの題材であり、新たな種類の自然主義の要素が強く見られます。テクノロジー、エンターテインメント、コミュニケーションのコードに熟達したエイケンの作品は、「見えない風景」の描写を模索します。それは、移動、磁気変動、情報、そして周波数に深い影響を受けた景色です。

《New Ocean: thaw》(2001年)では、抽象化の一歩手前とも言えるイメージが万華鏡のようにめくるめく映し出されます。そこに見えるのは、アラスカの景色、その空、解けゆく氷河です。自然の広大さに関連して生じる、ロマンティックな感情に迫るこの作品の投影形式(ほぼ半円形をなすように配置された3面スクリーンを2組設置)は、19世紀のパノラマ絵画を彷彿させます。しかし、エイケンが広大さの詩情を新たな視点で捉えている今この時は、環境の大惨事が際立つ21世紀の夜明けです。固定したイメージ(氷)であると同時に、動くイメージ(水)でもあるこの作品は、絶え間ない変化が発するエネルギーと風景のエントロピー的な 変質を通して、摩擦を生み出します。太陽は、色収差による光のフレアを呈して崩れ散乱する一方、氷河の音は編集され、電子音とミキシングされています。

《New Ocean: thaw》は、展示環境におけるスクリーンの構成が際立った特徴となっており、エイケンは編集とサウンドによって、単純な枠組みを超えて、根本にある知覚概念に向き合います。エイケンの映像作品は、20世紀の実験的なアヴァンギャルド映画制作の痕跡と、ナレーションや表現を超えたより幅広いアプローチの概念を伴っています。エイケンの映像は、単なる視覚的知覚の枠を超えた、身体感覚に近い特性を帯びます。

フォンダシオン ルイ・ヴィトンについて
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そして現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。フォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。カナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーが手掛けた建物は、既に21世紀を象徴する建築物として価値を認められており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取り組みを体現しています。2014年10月の開館以来、600万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。

フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、フォンダシオンにて実施される企画のみならず、他の財団や美術館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取り組みを積極的に展開していくことを掲げてきました。とりわけモスクワのプーシキン美術館とサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館(「Icons of Modern Art:The ShchukinCollection」展)やニューヨーク近代美術館(「Being Modern:MoMA in Paris」展)、ロンドンのコートールド・ギャラリー(「The Courtauld Collection. A Vision for Impressionism」展)などが挙げられます。また、フォンダシオンは、東京、北京、ミュンヘン、ヴェネツィア、ソウルに設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムのアーティスティック・ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。

ARTIST

PORTRAIT OF DOUG AITKEN.
Photo by Ami Sioux

ダグ・エイケン

ダグ・エイケンは1968年、アメリカ、カリフォルニア州レドンドビーチ生まれ。アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(カリフォルニア州)で学び、1994年にニューヨークへ移る。現在は、ロサンゼルスを拠点に活動。
エイケンの作品は、写真、彫刻、建築的介入から、映画、サウンド、シングルおよびマルチチャンネル・ビデオ、インスタレーションまで多岐にわたります。自身の言葉によれば、「映画の編集は作曲のようなもの。実のところ、映像にはあまり関係がない。究極の編集体験は、映像を排除し、点滅する光のトーンをひたすら見つめることだろう。それが編集の生み出すもの、すなわち、光の移ろいと動きだ。それは壁紙のロールのようだ。ナレーションは、動く光に巻かれている」。自らの作品の持つ深遠な抽象性を断言することで、エイケンは自身が手掛ける作品の逆説性を強調します。
エイケンの作品は、ホイットニー美術館(アメリカ、ニューヨーク)、MoMA PS1(アメリカ、ニューヨーク)、ウィーン分離派会館(オーストリア)、サーペンタイン・ギャラリー(イギリス、ロンドン)、ポンピドゥー・センター(フランス、パリ)、クンストハレ・チューリッヒ(スイス)、パリ市立近代美術館(フランス)など、世界各地の多数の展覧会で取上げられてきました。1999年には、インスタレーション《electric earth》でヴェネツィア・ビエンナーレ国際賞を受賞。その他にも、2012年ナムジュン・パイク アートセンター賞(韓国、ソウル)、2013年スミソニアン・マガジン・アメリカン・インジェニュイティ・アワードのビジュアルアート部門賞、2017年第1回フロンティア・アート・プライズ、2019年アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン生涯功労賞など数々の賞を受賞しています。

ARTWORK

《New Ocean : thaw》
2001年

3チャンネルビデオ(カラー、音声)、6面投影、スクリーンによる映像インスターレション
4分10秒

エスパス ルイ・ヴィトン東京での展示風景(2020年)

Courtesy of the artist and the Fondation Louis Vuitton
Photo credits: © Keizo Kioku/Louis Vuitton

PHOTO GALLERY

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