Graphic by © Hideki Inaba, 2013
エスパス ルイ・ヴィトン東京
Traces of Disappearance(消失の痕跡)
エスパス ルイ・ヴィトン東京は、アンヌ&パトリック・ポワリエ、カスパー・コーヴィッツ、畠山直哉、袁廣鳴(ユェン・グァンミン)による『Traces of Disappearance(消失の痕跡)』展を開催します。
ミュリエル・ラディックとエヴァ・クラウスの2人のキュレーターによって企画された『Traces of Disappearance(消失の痕跡)』展は、観る者に儚く壊れやすい世界の現状について考えさせます。多種多様な表現メディア、芸術的手法、話法を用いることで、これらのアーティストたちとその作品が提起する数々の疑問は、今まさに消失しようとしているものを捉えるきっかけとなるでしょう。
エスパス ルイ・ヴィトン東京のために制作された作品群は、とりわけ儚さや時の流れという問題を提起します。人と同様、永遠ではなく、「時」という概念に縛られている人工物─今回登場するアーティストたちは、保存と変質・腐敗・消滅の相反を起点とし、哲学的概念、美術的な観点から「時」という概念にアプローチします。
「消失」に重きを置いたこれらの作品は、沈思黙考の願望を刺激します。また、ひとつのフロアで展開される作品群は、記録された集合的記憶と、記録されない集合的記憶(アンヌ&パトリック・ポワリエ『Soul of the World』)、「聖地」(カスパー・コーヴィッツ『The Sheer Size of It』)、理想の地(畠山直哉『Mont Ventoux』)、果てはデジタルメディアを用いて再現された人工的な自然界(袁廣鳴 『Disappearing Landscape-Reason to Be a Leaf』)を巡る旅へと来場者を誘います。
エスパス ルイ・ヴィトン東京は、時の流れというこの異色の探求にあたり、準備期間全体を通じて温かい継続したご支援をいただいた、キュレーターのミュリエル・ラディックおよびエヴァ・クラウス両氏、アーティスト各位、ならびに在日オーストリア大使館、在日フランス大使館、台北駐日経済文化代表処の皆様に厚く御礼申しあげます。